耳鳥斎(にちょうさい・1751年以前-1802/1803)先生に学ぶ

『耳鳥齋畫譜』(にちょうさいがふ)

成立年 1803年

場所  大坂

巻冊数 1巻1冊

時代を超えた「ゆるさ」が人気

耳鳥斎は大坂を中心に活躍した人で、おかしみのある「鳥羽絵」で評判を得た。素朴で抽象的な人物たちの描写が魅力的だ。大正時代にも高い人気を集めたが、昭和以降、耳鳥斎は次第に「忘れられた作家」となってしまった。しかし近年、研究が進められたこともあって、その「ゆるさ」に惹かれるファンは多い。一見してゆるいが、大変達筆である。筆先をわざと割る割筆(わりふで)の技法で描かれたこちらの絵は、筆を動かす方向まで具体的に想像させてくれる。うつすとき割筆ばかりに気を取られていると絵の全体に元気がなくなってしまうため、おおらかで楽しい気持ちを持ちながら描くことが何より大切のようである。

〈参考文献〉「京都府立京都学・歴彩館所蔵の江戸時代の画譜 4『耳鳥斎画譜』」(京都府立京都学・歴彩館 京都資料総合閲覧室発行、2022年)


・京都府立京都学・歴彩館本(1巻1冊)  京の記憶アーカイブ 和||722||109||

・大阪市立中央図書館本(1巻1冊)  大阪市立図書館デジタルアーカイブ 0000521955

・東京藝術大学附属図書館本(1巻1冊) 国書データベース DOI: https://doi.org/10.20730/100265857


<模写について>

模写したページ http://www.archives.kyoto.jp/websearchpe/mediaDetail?cls=152_old_books_catalog&pkey=0000002761&lCls=150_media_old_books&lPkey=0000474151&detaillnkIdx=1

模写の方法 JPEGダウンロード後、プリントアウトして敷き写し

使用した紙 永豊(中国紙、100枚 600円)

使用した筆 精品双料小写巻(善璉湖製、480円)

使用した墨 濃墨液(古梅園製、200ml 800円)



デジタルアーカイブ模写派!

かつての画家たちが、なんども筆でうつし、まなび、脈々と我が物にしてきた、絵画の教科書「絵手本」。 絵手本にならうことは、実際には会うことの叶わない、いにしえの名人たちとの対話であり、また、学習の時間でもありました。 いまは、検索によってそれらをWEB上で自由に見ることができる時代です。 このサイトでは、絵を描くものの目線で「学びたい」と思う絵手本のデジタルアーカイブを集めてみました。